路面電車 03/2/8
ちょっと遠出した買い物が終わり、荷物を大切に抱え、さあ帰ろうかと思った途端雨がざぁっと降ってきて、高島屋の軒下でどうしようかと思っていると、緑色の路面電車が雨の中、ゆるゆるとやってきました。やぁ助かったと乗り込むと、中は案外空いていて、僕は窓際の席にぺたんと坐りました。
窓の外では降りしきる雨に沈む京都の街が、どこかぼんやりと映っていて、こうしていると見慣れた街並みも結構綺麗だなぁと眺めていたのです。すると、赤い傘をさした少女が歩いているのが流れていく風景の中、ふと、目に留まりました。その姿を見た途端、何故だか急に京都の路面電車は二十年以上前に廃止されていたことを思い出し、そういえば先ほどから一度も停車していないことにも気付くのですが、窓の外の風景同様に、僕の思考ははっきりとせず、ぼんやりと、今日買った白い花瓶にどんな花を生けようかと思うのでした。
その白い花瓶にはきっと赤い花が似合うはず。
テキスト置き場に戻る
題未定 TOP